コンベンションで企画をやろう! 企画持ち込みのイロハ

2023年9月16日更新
JMoF 2024の企画募集情報が公開されるにあたって、前回からの変更点については別記事にまとめました。本記事と合わせて読んでもらえると嬉しいです!

はじめに

陽が沈むのも日に日に早まってきた今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
まんぐです。

そろそろ秋冬のイベント情報もぽつぽつと出てきて、参加登録やら旅程の確保やら、悩みの種が増えてきた方も少なくないのではないでしょうか。

かくいうJMoFも、来年1月に開催される JMoF 2023 の参加登録情報が公開されました

数年ぶりに参加する!という方もいれば、やっと初参加のチャンスが…!という方もいらっしゃるかもしれません。

そんな待ちに待った機会ともなれば、あれもしたい!これもしたい!となるところですが、せっかく参加するからには、やれることをやれるだけやってみたいですよね。

そして、JMoFのような大規模なコンベンションには、あなたのやりたいことを実現するための仕組みがあります。そう、企画を自分で持ち込めるんです!

とはいえ、海外のファーリーコンベンションや、あるいは国内外のSF大会やら学会やらに参加したことがある人ならいざ知らず、みなさんの大多数はこうした企画持ち込みのシステムにあまり馴染みがないかと思います。

そこでこの記事では、コンベンションの醍醐味でもあるこの企画持ち込みについて、ざっくり解説していきます。これさえ読めば、あなたも企画が持ち込めるようになる……はず!


目次

  • せっかちさん向け要点まとめ
  • これまでに実現した持ち込み企画たち
  • JMoFでできること・JMoFがしてくれること
  • やってみようかな……と思った人へ
  • おまけ:持ち込み企画の位置付け
  • おわりに

せっかちさん向け要点まとめ

「ごちゃごちゃした説明はいいから、何ができるの!? 何すればいいの!? 教えて!!」

というみなさん向けに、最初に結論からいきましょう。

JMoF 2023 の企画募集に関する情報は、ウェブサイトにだいたい全部書いてあります!

……が、それをもっとシンプルにまとめると、こうなります。

  • みなさんの企画のための場所を確保します!
    (主にホテルの広間・宴会場(「〇〇の間」))
  • 基本的に何をやってもいいです!
    (各種法令やホテル・JMoFの規約に触れない限り)
  • 公式スケジュール表に載ります!(企画名・企画概要)
  • 基本無料!(JMoF自体への参加費は払ってね)
    (机・椅子は無償貸出)(そのほか有償レンタル品あり)
  • そのほか(企画の準備、宣伝、当日運営…etc.)は自分でやってね!

(ちなみに、海外のファーリーコンベンションも、だいたい似たような感じです)

とはいえ、これで記事を終わらせてしまうのはあんまりにもあんまりなので、もうちょっと詳しく説明していきましょう。


これまでに実現した持ち込み企画たち

そもそも、いきなり「企画持ち込めますよ!」と言われても、どんな企画ができるのかイメージするのは難しいですよね。

こういうのは実例を見るのがいちばん早い! ということで、実際に行われた企画を見ていきたいと思います。

とはいえ、JMoFの過去の企画外部サービスに残っている場合もあれば、年度によってまちまちどれが公募なのかわかりづらい年もあるため、ここではJMoF以外のファーリーコンベンションも含め、まんぐが過去に出会った持ち込み企画の数々からその一部を

  • テーマのジャンル
  • 実施形態

という2つの切り口で分類して、みなさんにご紹介します。

※以下、ついついいろいろ紹介したくなってすごーく長くなっちゃったので、次の章まで飽きない程度に読み飛ばすことをオススメします

テーマからみる企画の数々

同好の士よ集まれ! ケモノ系企画

シンプルでわかりやすいですね。属性萌えに種族萌え、果てはさまざまな性癖まで、自分の「スキ」を語ったり、他の人と分かち合ったりするのにコンベンションはピッタリです。

  • メスケモメイド喫茶(@ JMoF 2017)
    メイド服を着たいメスケモさんとメイド服を着たメスケモが見たい紳士淑女のみなさんにとってwin-winのやつですね。ちなみにJMoFは会場内のむやみな飲食NGなので、あくまでコンセプトだけなのは致し方なしといったところ。
  • 朝まで餌テレビ!(@ JMoF 2020)
    捕食したい/されたい性癖持ちのみなさまのトークショー。どこかで聞いたことがあるような名前な気もしますが、既存のコンテンツの形式に乗っかることができるぶん、パロディはけっこう便利だったりします。
  • マイナー種族会(Unusual or Uncommon Species Meet Up @ Midwest Furfest 2019)
  • デブケモについて語ろう/デブケモ集会
    (Fatfurs Discussions and Meetup @ Eurofurence 25)
  • 肉球会(EF Paw Panel @ Eurofurence 25)
    タイトルだけだと何するんだ?と思いましたが、ひたすらキャラの肉球写真を撮らせてくれ!っていう会だった模様。

ちなみに、「〇〇(種族・属性)のキャラクターで集まって撮影しよう!」という企画は非公式に行われることも多いですが、持ち込み企画として枠を作ることもできます。

部屋を取ると背景を用意して仮設の撮影ブースが作れたりしますし、写真撮影だけじゃなくて同好の士で仲良くなる場として機能する、というちょっとしたメリットもあります。

自分たちのこと、振り返ってみない? 社会系企画

実はこの手の企画が一番好きですわたし。

  • SEAfur Panel! (@JMoF 2020)
    東南アジアからはるばるやってきた面々が、各地のファーリー界隈の様子からご当地グルメまで、手広く現地を紹介してくれます。東南アジアにおいでよ!
  • 「ケモナー? いや私は違うんで」(Furries? No, I'm not one of THEM: A non serious panel about embracing the fandom @ Eurofurence 25)
    誰もが胸を張ってケモナーを自称しているわけではないですよね。自己呈示やアイデンティティをめぐる「あるある」な状況から界隈を考えてみよう、という企画。
  • 人間関係のトラブルを起こさないために
    (Abusive Relationships and How to Read Red-Flags @ Eurofurence 25)
  • 亡くなった友人・家族を悼む会(Lost Furends and Family @ Midwest Fufest 2021)

ケモノ関係ない? それがどうした!
その他オールジャンル

別にケモノやケモナーに関係ある企画をしなければいけない、という決まりがあるわけではありません。JMoFはみなさんのやりたいことでできています!

  • JMoFベイブレード大会(@ JMoF 2019)
    ボードゲームから家庭用ゲーム、脱出ゲームなどなど、ケモノかどうかを問わずゲーム系企画も定番企画のひとつですね。ちなみにこの企画は残念ながら中止となってしまいましたが、海外コンベンションでは当日に企画が中止になったり入れ替わったりすることはざらにあります。ぜひ恐れないでほしいですね……!
  • ロシアの護身術講座(@ JMoF 2017)
  • パイ投げ初心者向け講座(Pie Throwing 101 @ Midwest Furfest 2019)

タイプ(実施形式)からみる企画の数々

観覧型・講演型

一人または複数人の登壇者がいて、観客がそれを聞く形です。トークショーや講演、レクチャー企画の一部もここに入ってきますね。ある程度壇上で回してから聴衆に質疑応答を開くこともできますし、企画設計しやすい形式のひとつです。

  • イラストコミッションやってみたレポ(@ JMoF 2019)
  • 全身タイツのこと教えて(@JMoF 2016)
  • ケモノドキュメンタリー映画上映会(@ JMoF 2018)
  • 獣語授業 / Furry English 101 (@ JMoF 2020)
    英語講座。このあたりの講座企画は、観覧型と参加型の中間っぽい感じになっているかもしれませんね。
  • 旅狐伝説(@ Eurofurence 25)
    日本の神社の狐が好きなドイツのファーリーが、日本の神社と狐をめぐる自身の旅行記をひたすら語っていた企画。Eurofurenceは開催期間もかなり長いですが、その中でパート1からパート3まで展開されててびっくりした記憶。
  • ラジオ(ポッドキャスト)番組公開収録(Anthrocast Podcast @ Midwest Furfest 2021)

参加型・交流型

レクチャー企画の中でも参加者が実際に手を動かしたり、あるいは体を使ったりするものや、参加者みんながフラットに語るタイプの企画がこちら。当日ふらっと来て参加できるイメージなので、逆にプレイヤーを事前に募集済みの場合などはこちらではなく観覧型に分類されそうな感じがします。

  • ハウスダンス入門(JMoF 2019)
  • 桜吹雪で撮影してみよう!(JMoF 2017)
  • 正義を通せ!説得ゲーム(JMoF 2018)
  • 抜きポケ★バトル(JMoF 2020)
  • JMoFの路地裏(JMoF 2020)
    「何も持ってないし、人と繋がりにくいなって思ってる人が、ちょっと集まって、自分の寂しさを共有する。」(企画説明文より)
    いいですよねこういう場があるの。楽しく騒がないといけないわけじゃない。
  • 界隈起業クソアイデアをみんなで考えよう
    (How To Make A Terrible Furry Business @ Midwest Furfest 2021)
    企画説明文に例として書かれてたのは 「ケモナー向けマルチ商法」「体(裸写真)で支払えるイラストコミッションサイト」 とかでした。こういう企画の横で真面目な起業レクチャー企画とかやってたりするのが自由さの表れ。

その他・複合型

実現するかどうかのハードルはどうしても高くなりますが、こうした形式にとどまらないかたちの企画が実現した例もあります。

  • Furry's Live Stage (@ JMoF 2017)
    機材などの準備の大掛かりさから、この翌年からはJMoF自体が運営する企画となりましたが、最初の年は公募で持ち込まれた企画でした。今や一大企画となっているだけに、ある意味出世した企画の筆頭といえるかも。
  • 獣化博:なりたい動物展(@ JMoF 2022)
    個別ブースに出展者を募集するタイプの企画。出展者を集める負担を考えると、公募でこれを実現させるのはなかなかにしんどかったと思いますが、無事実現までこぎつけ、当日はなかなかの盛況だった模様。
  • 葬礼(@ JMoF 2015)
    観覧型ではあるのですが、とにかく設定がすごかった企画。ネタバラシしてしまうと「リニューアル等で着なくなってしまった古い着ぐるみを弔う」という企画なのですが、企画関係者は喪服着てるし、ちゃんとした棺は持ち込まれてるし、衝撃がすごかった……

JMoFでできること・
JMoFがしてくれること

いかがだったでしょうか。じつにさまざまな企画が実現してきたことがわかるかと思います。

さて、ではJMoFの場合だと実際に何ができるのか、JMoFは何を提供してくれるのか、といった企画持ち込みの仕組みやプロセスについて説明していきます。

企画内容

前の節で見てもらった通り、企画の内容はとにかく自由です!
(もちろん、法律等に触れる行為とか、JMoFや会場ホテルの規約に反する活動とかは困りますが……。)

ただし例外的に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響を受けて、ここ数年は企画内容が感染症対策を踏まえたものになっているか、JMoF実行委員会が目を通したり改善提案をする、という仕組みをとっています。

本音を言えば面倒を増やしたくはないのですが、万一のことが起きる確率をなるべく減らすため、そして何かあったときのための保険ということでご協力いただいています。

とはいえ、これはあくまで一時的な必要性によるもので、よっぽどのことがなければJMoFがあれこれ口を出すことはありません

これは裏を返すと、企画そのものの準備や当日運営など、企画内容を実現させるための中身づくりにもJMoFは関わらない、ということです。後述する備品やスケジュール掲載などの例外はありますが、基本は自分でやってね!というDIY精神です。

※補足:応募条件の「あの項目」について

ウェブサイトに掲載されている募集要項には、具体的な応募条件(おおむね上記の「規約に反することはやめてね」に相当するもの)が書かれていますが、その中にしれっと

  • 犬の真心を忘れないこと
  • 猫の気心を損ねないこと

という記述があるのにお気づきの方もいるかもしれません。

(気づいてた方、ウェブサイトを隅々まで読めている大変優秀な方です! えらい!)

これは一体なんなのか?という話ですが、もちろん字義通りの意味で具体的な制約があるわけではないです。過去の担当者が記載した遊び心(≒フレーバーテキスト)だと思ってもらってもいいです。

が、そんな記述がなんでずっと生きてるかというと、これが企画をやるにあたっての(なかなか明文化しづらい)精神性の部分にかかわっているからなのかな……と、さしあたってはそう解釈しておくことにしましょう。(持ち込み企画の精神について、詳しくは後述します)

ちなみに、JMoFの前代表が犬で、現代表が猫なんですよね。なるほど意味深……。

企画の場所・必要な設備

JMoFが提供できる場所として基本的に想定されているのは、当日JMoFが押さえている空間、つまりロワジールホテル豊橋のホールや宴会場(いわゆる「〇〇の間」)のうちの空いている時間帯になります。

ただし、企画の性質上どうしてもそれ以外の場所を使いたい!という場合は、相談に乗れることもあります。例えば(持ち込み企画以外も含む)これまでの企画だと、セグウェイ企画や自動車企画などは屋外の空間で実施されていますしね。

では、例えば屋内の部屋を使うスタンダードな企画をやるとして、そこで使う設備はどうするのか?

現在のJMoFのシステムでは、部屋の予約利用に付帯するサービスをホテルから受けられるようになっています。具体的には以下の通りです。

  • 机・イス……無償
  • ホワイトボード……有償
  • プロジェクター……有償

いずれも必要数を(JMoF経由で)事前にホテルに申請して、当日ホテルスタッフの方々に準備・撤収していただくという形です。

上記以外の備品は、各自で持ち込んでもらう形になります。

本音を言えば、プロジェクターとホワイトボードくらいは無償利用可能としたいところ(海外コンベンションだとだいたいそう)なのですが、JMoF自体の懐事情と、備品管理の都合上、現在では上記のようなシステムとなっています。心が痛い……!
(ちなみにプロジェクターについては、各種レンタルサービスを使って自分で持ち込んでしまった方が安くつく可能性もあります)

とはいえ、これ以外に設備利用の費用が発生することはありません。つまり、JMoFの参加費を払ってしまえばあとは基本無料!

企画の告知・宣伝

企画の告知や宣伝についても、企画内容と同様、JMoFのかかわる範囲はかなり限定されています。

ポイントは、
「持ち込み企画も当日のタイムテーブル(スケジュール表)に掲載される」
ということ。このスケジュール表には主に

  • 企画名
  • 実施時間・実施場所
  • 企画責任者(または登壇者)
  • 企画の概要説明

が掲載されます(細かい部分に変更が入ることはあります)。また、当日の企画開始時など、このスケジュール表に基づいた各企画の告知がSNS(Twitter等)で行われることもあります。これは基本的にセットだと考えてください。
この、スケジュール表関係の説明文(+それに紐づいたSNS企画告知)が、JMoFが行う企画の宣伝になります。

言い換えれば、もっと詳細な企画内容の告知ページがJMoFのウェブサイト内に作られることはないですし、そうした告知ページを作ったり事前告知をたくさん行ったりしたい場合は企画を持ち込むみなさんがやる、ということです。

こうした形になっているのにはさまざまな理由がありますが、JMoF公式のウェブサイトやSNS投稿の文章にはかなりの推敲プロセスが絡んでいるため、ページを追加するだけでも尋常ではない手間がかかってしまう……という事情もあります。

それゆえ、みなさんが企画に関する告知を行った上で、「これを拡散してほしい!」という依頼がみなさんからあれば、JMoF公式が協力できることもあります。


やってみようかな……と思った人へ

ここまで読んできて、今までより少し具体的にイメージが湧いてきたんじゃないでしょうか。

わたし自身もまた、国内外のコンベンションに「ただ参加するだけじゃもったいない!」の精神で、企画を持ち込んだり、ゲストスピーカーのような形で企画の実施にかかわったことが何度かあります。そうした経験をしてきた身として、みなさんへのささやかなアドバイスです。

一番楽なのは「喋りさえすればいい」企画

登壇者を集めて事前の打ち合わせをしたり、来てくれた参加者を人数に応じて振り分けたり……

大掛かりな仕掛けを作ったり、企画協力者をたくさん必要としたり、企画来場者に左右されたりする企画は、もちろん手をかけたぶんできることは増えますし、面白いものができることは多いです。

しかし、準備は結構大変です!

もちろん、何らかの形でこういう企画を一度やったことがあれば、おおまかな負担感もわかると思いますが、何もやったことないところからいきなり「すごいことをやろう!」と思うと、準備の大変さにつらくなってしまうこともなくはないです。

そういう意味では、レクチャー形式のような
「資料を準備してあとは自分が喋ればいい」
というスタイルの企画は、負担も少ないし、「失敗しても誰かに迷惑がかかるわけじゃない」という気楽さもあります。

無理にやるものじゃなくて、楽しんでやるもの!という原則は忘れずにいたいですね。

ちなみに、さすがに企画枠まるまるひとつ(60分)は長すぎて喋り切れないかも……という人にとっては、持ち時間5分で喋りきるライトニングトーク企画「けもなーじゆうけんきゅう」もあります。「企画で何かしら喋ってみたい!」という人にとってはいい機会かもしれませんね。

やれば、誰かしらは来てくれる

「企画をやったところで、誰か参加者来てくれるかなぁ……」

レクチャー形式なら最悪でも虚空に向かって喋っていればいいかもしれませんが、誰か企画に来てくれる人がいないと成立しないタイプの企画にとっては死活問題。
誰もが一度は悩むところだと思います。

結論から言うと、参加者は来ます。
なんせ数百人の人間が一同に会してるんですから。

開始時間ぴったりじゃなくても、後からどんどん人が増えてくることもよくありますし、後から考えると「杞憂だった……」となることがほとんどです。

失敗を恐れないで

大きな場でたくさん来場者がいると思うと、ちゃんとした準備をしてきちんと完成したものを持っていかないといけないんじゃないか、当日までにちゃんと間に合うか、うまく企画を回せるか……等々、心配も増えるかもしれません。

特に、JMoFの企画スタッフは往々にして「みんなが楽しめる企画を作るぜ!」という熱意にあふれているので、スタッフがやってる企画と比べると見劣りするんじゃないか……というのも気になってしまうかもしれません。

しかし、スタッフは準備にかけられるリソースや時間も段違いにありますし、見方を変えれば面白い企画ができて当然です。

もちろん面白い企画に対する賞賛はいくらしても減りませんが、面白い面白くないの感覚は人によって違いますし、他と見比べていてもあまりいいことはありません。

また、先述した通り海外コンベンションでは企画が中止になったり入れ替わったりすることはよくあります。申し込んでみて「やっぱダメでした……」という企画倒れでもめげちゃだめだ。(運営目線としては、白旗を上げるならなるべく早くお願い……!というのはありますが)

自分のやりたいことを貫けば、それが響く人はきっといます!

* * *

もちろん、これはあくまで一個人の見解でしかないので、他の企画持ち込み経験者の方々もぜひそうした経験談をたくさん放流してもらえると、企画をやってみたいみなさんにとって役立つのではないかと思っています。ぜひよしなに……!


おまけ:持ち込み企画の位置づけ

そもそも、なぜ企画の持ち込み枠を設けているのか?
せっかくの機会なので、このことについても触れておきたいと思います。

もちろん、それはJMoFが最初にお手本としたのが海外のファーリーコンベンションだったから(そして海外のファーリーコンベンションはSFファンの大会(ワールドコン)から分離してできたから)……という歴史的事情もあります。

では、そうしたコンベンションとは、そしてそこでの「企画」とはどういうものなのか?

コンベンションを説明するとき、わたしはよく「プラットフォーム」とか「」という言葉を使うのですが、もっとシンプルにいうと「空っぽの箱」だと思ってください。あくまでもコンベンションの一番根っこにある機能は、参加者のみなさんが集まっていろいろなことができる場=箱を作ること。

そしてその場でどんなことをするか、つまり箱に何を入れるかについては、参加者のみなさんに持ってきてもらいたい。鍋みたいなものですね。

もちろん、大掛かりな設備や器材を必要とする活動はどうしてもたくさんの準備を必要としますし、公式が音頭をとってすすめる企画も実際にはいろいろありますが、基本思想としては「自主性を重視する」というのがコンベンションのスタイルです。

つまり、コンベンションの企画は、「みんなが好き勝手やるもの」

イベントの企画というと、どうしても「スタッフがやるもの」という連想をしがちですが、それだけじゃない!企画ってもっと自由なんです!

こういう企画のイメージがもっと広まってくれるといいな……というのが、ここ何年か企画募集に携わってるわたしのささやかな願いでもあります。

実際、海外のファーリーコンベンションや国内外のSF大会といったコンベンション型のイベントにいくと、ほとんどの企画が持ち込みで行われています。皆がそれぞれ思い思いにやりたいことをやっているがゆえに、かなりの数の企画が同時進行で進んでいるのに驚かされます。

特に海外のコンベンションでは、ビラを会場内に配布・掲示したりSNSで告知したりといった形で、自主的に企画が行われていることもしばしばです。これも多数の参加者が一堂に会して寝食を共にし複数日を過ごすような大規模コンベンションだからこそですが、そもそもスケジュールに載ってない企画なんてあるの!?というのは知らないとびっくりですよね。

こうしてみると、

  • イベントの公式スケジュールに載っている企画
  • イベントの公式スケジュールに載っていない企画

という区別はできるとしても、スケジュールに載っている企画がスタッフによって運営されているのか一般参加者によって運営されているのかは、そこまで大きな意味を持っていないんだ、ということがわかります。

この記事で「公式企画」「公募企画」「自主企画」という名前を使うことを避けたのはそういう意味もあります。かえって誤解の元になる可能性もありますしね。


おわりに

「コンベンションの企画は参加者がやるもの、企画が持ち込めないなんてコンベンションじゃない!」

……という、コンベンション愛ゆえの過激思想に突き動かされた結果、わたしはここ数年のJMoFで(企画を専門とするスタッフでもないのに)企画持ち込み関係に携わることになりました。

無論、この熱量はたまたまわたしがJMoFの何倍もの規模を誇る海外の巨大ファーリー・コンベンションに参加して感化されてしまったがゆえのものですし、JMoFがいくら立ち上げの時に海外のコンベンションを参考にしたとはいえ、それを丸ごとコピーする必要はどこにもありません。

けれど、そうしたファーリー・コンベンションの自由な雰囲気、参加者が(着ぐるみ勢、絵描き勢、そしてそうしたものを何も持っていない人たちも)みなそれぞれ自分のやりたいことにコミットして場を作っている感じが、参加するたびに「とてもいいな」と思わされるんですよね。

だからこそ、

コンベンションの企画に敷居の高いイメージを持って欲しくない!

「面白くて洗練された企画じゃないとダメなんじゃないか……」なんてことはない!

あなたの企画、できますよ!

ということがひたすらに伝えたくてこの記事を書きました。

そんな熱量が少しでも伝われば幸いですし、これを読んだあなたがJMoFで何かしらの企画をやってくれたら
(もちろん持ち込み枠じゃなくて、野良でやる非公式な企画でも!)
こんなに嬉しいことはありません。

* * *

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JMoF Channelは、ブログやYouTube動画を通じてJMoFスタッフが情報を発信していく“ゆるメディア”です。 ケモノのコンテンツに触れたコラムや、SNSを利用したちょっとした企画などをお送りします ※JMoFのコンベンションに参加するために必要な情報が発信されることは特にありません! ちょっぴり真面目で、だいたい不真面目な、そんな記事をお楽しみいただければ幸いです。

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